2019.07.01

介護食

【介護食の作り方】簡単に作れる介護食を区分別に紹介

【介護食の作り方】簡単に作れる介護食を区分別に紹介

介護食は、加齢に伴い咀嚼力や嚥下(えんげ)機能などが衰えた方が食べやすいように加工した料理であり、食材や栄養バランスへの配慮が必要だ。

しかし、そもそも介護食の作り方がわからない、栄養バランスの管理が大変、食事を楽しんでもらう工夫が難しいといった悩みを抱えている方も多いはずだ。

そこで、簡単に作れる介護食のレシピや料理のポイントについて解説する。介護を受ける方の噛む力や飲み込む力に応じた作り方を紹介していくので、日々の介護食づくりの参考にしてほしい。

 

1.介護食の必要性とその種類

介護食にはいくつか種類がある。まずは、介護食の必要性と種類に関して解説していく。

介護食の必要性

食事は、人間が生きていくために必要なものだ。特に介護を受ける人にとって、食事は大きな楽しみの1つであると同時に、口から3食バランスよく食事を取ることで免疫力アップや体力維持が期待できる。

反対に、食事が上手く取れなくなると、食べ物の偏り、食事量が減るといった変化が現れ、体重の減少、ストレス、栄養状態の悪化などの問題につながる。

そのため、介護を受ける人の、噛む力(咀嚼力)や飲み込む力(嚥下機能)に応じて、食べやすいように工夫した介護食を用意する必要がある。

介護食の4つの区分

介護食は、噛む力・飲み込む力に合わせて、大きく4つに分類できる。咀嚼力や嚥下機能は個人差があるため、UDF(ユニバーサルデザインフード)の区分基準に従って、形状や柔らかさを調整した介護食を用意する必要がある。

以下の特徴をもとに、該当する区分を判断してもらいたい。

区分1:容易に噛める

飲み込む力は問題なく、硬いもの、大きいものが食べづらい程度であれば、ほぼ通常の食事が食べられる方用の介護食。

区分2:歯茎でつぶせる

食べ物によって飲み込みづらいものがあり、やや柔らかめのご飯やおかずが必要な方用の介護食。

区分3:舌でつぶせる

水やお茶などの水分が取りにくく、ご飯をお粥とし、おかずにとろみをつけるなど、喉越しのよいものが必要な方用の介護食。

区分4:噛まなくてよい

食事の固形物も飲み込みづらく、ご飯はミキサーにかけ、おかずも粒がない食形態へと変える必要がある方用の介護食。

 

出典:ユニバーサルデザインフードとは|日本介護食品協議会

https://www.udf.jp/outline/udf.html

 

 

2.区分別の料理ポイント

区分別に介護食作りのポイントがある。それぞれのポイントについて解説していく。

「容易に噛める」区分の料理のポイント

「容易に噛める」区分に該当する場合、硬いものや大きいものが苦手なため、パサついた魚や赤身の肉は食べにくい。

身がほぐれやすい白身魚の焼き魚、適度に脂肪のある肉を利用すると食べやすくなる。また、赤身の魚は火を通すよりも刺身にする、赤身の肉は圧力鍋を使って調理すると食べやすい。

「歯茎でつぶせる」区分の料理のポイント

「歯茎でつぶせる」区分に該当する場合、野菜やお肉、魚いずれの食材も柔らかく煮る調理方法を用いると、いろいろな食材を食べることができる。

例えば、大根などの野菜を小さく刻み、柔らかく煮てあんをかけた煮物や、卵料理は食べやすい。

主食は、水分多めの柔らかいご飯、全粥が勧められる。麺類であれば、柔らかく煮込んだうどんもよいだろう。野菜やお肉、卵などを入れて具沢山にすると、栄養も摂りやすい。

「舌でつぶせる」区分の料理のポイント

「舌でつぶせる」区分に該当する場合、野菜類も必ず煮込み、歯を使わずにつぶせるまで柔らかくすると良い。

かに玉、スクランブルエッグのように柔らかい卵料理は食べやすく、あんかけ料理は飲み込みやすくなるためおすすめだ。お肉料理も圧力鍋などで煮て柔らかくすることで、簡単でおいしいメイン料理ができる。

「噛まなくてよい」区分の料理のポイント

「噛まなくてよい」区分に該当する場合、ご飯はお粥をミキサーにかけペースト状にし、おかずはなめらかで粒がない状態にする必要がある。しかし、人によっては、柔らかい粒程度があっても食べられるため、状態を観察しながら調整したい。

また、ご飯は時間が経つと粘度が増し、糊のような状態になるため注意が必要である。

粘度の強い食事はむせやすくなるため、少しでもむせる様子が見られたら、粒入りの食事は避け、とろみをつけることを検討したほうがよい。

3.【区分別】介護食レシピ

UDFの区分別に、簡単にできる介護食のレシピを紹介する。材料はそれぞれ2人分で記載しているので、適宜調整していただきたい。

トマトとツナの卵焼き【容易に噛める】

噛む力がやや弱まっているが飲み込む力に問題がない方向けに、「容易に噛める」区分に該当するトマトとツナの卵焼きの作り方について解説する。

(エネルギー240kcal、タンパク質14.6g、脂質16.0g、塩分0.6g)

<材料>

・卵2個

・ツナ缶 40g

・トマト 100g

・青ネギ(小口切り) 10g

・調整豆乳 100ml

・スキムミルク 大さじ2

・粉チーズ 小さじ2

・サラダ油 小さじ2

<作り方>

  • トマトの皮と種を取り除いて細かく刻む。青ネギは小口切りにする。

②卵を溶いたボウルの中に、トマト・青ネギ・ツナ缶・豆乳・スキムミルク・粉チーズを入れて混ぜる。

③フライパンに油を熱し、②を流し込んで焼いて完成。

 

コロッケグラタン【歯茎でつぶせる】

噛む力が弱まり飲み込む力もやや衰えている方向けに、「歯茎でつぶせる」区分に該当するコロッケグラタンの作り方について解説する。

(エネルギー370kcal、タンパク質13.0g、脂質23.8g、塩分1.8g)

<材料>

・コロッケ(市販品) 2個

・ホワイトシチュー(レトルト) 1パック

・ピザ用チーズ 40g

 

<作り方>

  • コロッケを耐熱容器に入れて、食べやすいようにフォークでくずす。

②シチューはパックのまま上から中身を手でつぶし、①にかける。

③その上からチーズをかけ、オーブントースターで焦げ目がつくまで4~5分焼いたら完成。

ナスの甘味噌炒め【舌でつぶせる】

噛む力がかなり弱まり飲み込む力も衰えている方向けに、「舌でつぶせる」区分に該当するナスの甘味噌炒めの作り方について解説する。

(エネルギー63kcal、タンパク質1.6g、脂質2.4g、塩分0.4g)

 

<材料>

ナス 2本

サラダ油 小さじ1

合わせ味噌だれ(市販品) 大さじ1

 

<作り方>

①ナスの皮をむいて薄切りにし、水につける。

②フライパンに油を熱し、ザルにあけた①を炒める。

③合わせ味噌だれを混ぜたら完成。

 

ごぼうの和風ポタージュ【噛まなくてよい】

噛む力も飲み込む力もほぼない方向けに、「噛まなくてよい」区分に該当するごぼうの和風ポタージュの作り方を解説する。

(エネルギー105kcal、タンパク質3.3g、脂質4.3g、塩分0.3g)

 

<材料>

・ごぼう 50g

・玉ねぎ 60g

・サラダ油 大さじ1/2

・ご飯 20g

・だし汁(かつお・昆布) 200ml

・無調整豆乳 100ml

・白みそ 大さじ1/2

 

<作り方>

①ごぼうは皮をこそげ、ななめ薄切りにして水にさらす。

②玉ねぎを薄切りにする。

③鍋に油を熱し、②を炒める。しんなりしてきたら水気を切った①を加えてさらに炒める。柔らかくなったら、だし汁とご飯を加えて煮る。

④③の粗熱をとったらミキサーにかけてなめらかにし、鍋に戻す。豆乳と白みそを加えて温めたら完成。

 

4.介護食作りで注意したい食材

最後に、介護食を作る上で注意すべき食材を、食べにくいものと危険なものに分けて解説する。

 

食べにくい食材

水分が少なく(パサつく)、硬い食材は食べにくい。ごぼうなどの根菜類や豆類の皮なども食べにくい傾向にあり、生野菜は避けたほうが良い。

柔らかく煮る、小さめにカットするなどして、様子を見ながら調理していくことをおすすめする。

 

避けたい食材

お餅や団子など粘性が高い食材、のりやわかめといった海藻類、ウエハースなどは喉に張り付きやすいため避けたい。

また、いかやたこなど噛みちぎるのが難しい食材も、避けたほうが安心だ。

 

5.宅配弁当ならおいしい介護食が家に届く!

介護食は食材ごとに調理方法を変えたり、形成したりと普通の食事よりも手間がかかるため、毎日作るとなると負担がかかってしまうだろう。

そこでおすすめしたいのが介護食の宅配弁当だ。栄養バランスのとれた、見た目にもおいしい食事が家に届く。冷凍のものであればレンジでチンするだけで、いつでもホカホカの介護食を食べてもらえる。

仕事や他の家事で余裕がないなか、介護食も作らなければならない。でも、家族においしいものを食べてもらいたい。そんな方にこそ、宅配弁当という選択肢も視野に入れてみていただきたい。

 

6.まとめ

介護食は、食べる人の噛む力と飲み込む力に応じて、適切な形状や柔らかさに仕上げる必要がある。介護食の区分にはよくUDFの基準が使われ、噛みやすさ、飲みやすさによって「容易に噛める」「歯茎でつぶせる」「舌でつぶせる」「噛まなくてよい」の4つに分類される。

介護食を作る時は、食べる人の状態を見極め、区分に見合った調理法を心がける必要がある。しかし、通常の料理よりも工程が増えるため、美味しいご飯を食べてほしい気持ちとは裏腹に、毎日の準備を負担に感じる方も多いだろう。

そこで手軽に準備できる介護食としておすすめしたいのが宅配弁当だ。タイヘイでは、見て楽しい、食べて美味しい2種類の介護食を用意している。

「ソフト御膳(やわらか)」は料理の見た目はそのままに、スプーンでつぶせる柔らかさに仕上げている。繊維の多い食材はあらかじめ細かく刻んであるので、咀嚼力が衰えた方でも食べやすい。

 

「ソフト御膳(やわらか)」の詳細はこちら

 

「ソフト御膳(ムース)」はUDFの区分「舌でつぶせる」認定の介護食だ。柔らかさだけでなく、見た目も食材本来の色や形に近づけて作っているため、味と見た目の両方で食事を楽しめる工夫がされている。

 

 

 

「ソフト御膳(ムース)」の詳細はこちら

 

また、介護の他に仕事や家事で忙しくて自分の食事はいつも後回しになってしまう方も多いはずだ。そんな方には「ヘルシー御膳®」をおすすめしたい。医師の監修のもと、消費者庁の食事療法用宅配食品等栄養指針に基づいて作られており、血圧やメタボが気になる方にも最適な食事となっている。

 

「ヘルシー御膳®」の詳細はこちら

 

「ソフト御膳」「ヘルシー御膳®」は、いずれも管理栄養士が味と健康面を考慮して選んだ日替わりメニューなので、味に飽きることなく毎日の食事を楽しめる。ご家族の心身を養う介護食を選ぶうえで、ぜひ検討されてみてはいかがだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

\健康を気にかけているあなたに!/ タイヘイ管理栄養士監修 たった30秒でできる あなたにおすすめの食事診断