2020.06.09
健康食
ストレスに効果的な食べ物と飲み物の総まとめ!有効成分もご紹介
食生活や生活習慣が多岐に渡る中、様々な要因でストレスを抱える人が増えている。
ストレスは溜めすぎると心身に悪影響が出ることから、できるだけ早期にストレス解消をはかりたい。
今回は、ストレスに効果的な食べ物や飲み物を紹介すると同時に、注意すべき食べ物について紹介する。
目次
1.ストレスで暴飲暴食はNG
ストレスと食事は密接な関係がある。空腹状態では、ストレスを生み出しやすいコルチゾールやアドレナリンが分泌されることにより、イライラとした感情が募りやすくなる。
食事を取ることによってこれらのホルモンの放出が緩和され、ストレスの発散につながることから、ストレスが溜まってくると、つい自分の好きなものばかりを食べてしまいがちだ。しかし、偏食によって起こる栄養の偏りや、暴飲暴食を行った後に罪悪感を抱くことは、ストレス解消になるどころか、かえってストレスを抱え込む原因となる。
だからといって、まるっきり好きなものを食べてはいけないわけではく、ストレスを感じたときに美味しい食事を取ることは、精神的な満足の上でも非常に有効となる。大切なのは、適量を守ることだ。「ドカ食いしたくなった時は少しだけ食べ物・飲み物の組み合わせを意識してみよう。
2.ストレスに効果的な成分
好きなものを食べるのも良いが、それだけでは根本的なストレス解消にはつながらない。ストレスに効果が期待できる栄養素が含まれる食べ物を、日常的に取り入れることがおすすめだ。
2-1.ビタミンC
ビタミンCは、抗ストレスホルモンの合成に必須な栄養素の一つである。しかし、ストレスを受けることで、体内に蓄えてあるビタミンCの量が激減してしまうため、充分な量の摂取が必要となる。
ビタミンCは大量に摂取しても、数時間で排泄されることから、毎食こまめに補給するように意識したい。
2-2.ビタミンB群
ビタミンB群も、抗ストレスホルモンを作る栄養素である。
ブドウ糖を脳のエネルギー源に効率良く変換するためにも欠かせないため、ビタミンB群が不足することで、ストレスや集中力の欠如などが起こってしまう。ビタミンB群はチームで働くことから、数種類をバランス良く摂るようにすることが大切である。
2-3.カルシウム
神経や筋肉の働きを保つために必要なミネラルである。カルシウムは細胞や血液中にも存在しており、神経が興奮する際に細胞内でカルシウムが不足すると、骨の中から溶け出して補おうとすることから、神経の興奮とカルシウムには関係性があるとされている。
しかし、近年ではストレスそのものと、カルシウムの不足には関係性がないとする説もある。
2-4.マグネシウム
マグネシウムは、エネルギーの生産や体温調節、ホルモンの分泌を始めとした体内の様々な機能の調整に関わっている。神経の伝達を正常に保つ働きや、興奮を抑制してくれる働きがあることから、マグネシウム不足もストレスを引き起こす原因となる。
また、カルシウムの吸収を高め、働きを調整する作用もある。
2-5.トリプトファン
トリプトファンは必須アミノ酸の一つであり、幸せホルモンと呼ばれる神経伝達物質のセロトニンを作る材料となる。
セロトニンは、ノルアドレナリンやドーパミンを制御することで感情の起伏を穏やかにし、ストレスを減らしてくれる。また、このセロトニンは、体のリズムを整える睡眠ホルモンのメラトニンの原料としての役割も果たす。
2-6.ポリフェノール
ポリフェノールは強い抗酸化作用を持ち、不安や緊張感などを緩和することで、気分を落ち着かせる効果が期待できる。
ポリフェノールの抗酸化作用は4時間程で効果が消えるため、こまめに取ることが効果的だ。
3.ストレスに効果的な食材
前述した栄養素を多く含んでいる食品を紹介する。ぜひ参考にしてほしい。
ビタミンC |
芽キャベツ・ゴーヤ・パセリ・ブロッコリー・小松菜・キウイ・みかんなど。緑黄色野菜や果物が多く含む |
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ビタミンB群 |
B1 |
豚ヒレ・豚もも・そば・真鯛・玄米・枝豆など |
B2 |
レバー類・ウナギ・ブリ・モロヘイヤ・牛乳など |
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B6 |
カツオ・マグロ・豚ヒレ・鶏ささみ・バナナなど |
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B12 |
牡蠣・アサリ・サバ・ホタテ・ホッケ・シジミなど |
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ナイアシン |
たらこ・マグロ・鶏むね・さば・エリンギなど |
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パントテン酸 |
レバー類・ささみ・アボカド・たらこ・など |
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葉酸 |
レバー類・菜の花・モロヘイヤ・イチゴなど |
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ビオチン |
レバー類・イワシ・落花生・卵・ニシンなど |
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カルシウム |
干しエビ・しらす干しなどの小魚類。大豆製品、乳製品など |
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マグネシウム |
アーモンド・落花生・大豆・納豆・ひじきなど |
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トリプトファン |
大豆製品・乳製品・穀類・カツオ・マグロ・卵など |
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ポリフェノール |
カカオ製品・バナナ・ブルーベリー・春菊・納豆・緑茶・コーヒーなど |
4.ストレスに効果的な飲み物
食べ物だけでなく、飲み物にもストレスに効果的なものがある。日常的に取り入れやすく、こまめな摂取に便利なためおすすめだ。
4-1.飲むヨーグルト
ヨーグルトはたんぱく質やカルシウム、トリプトファンを含む。
また、ヨーグルトに含まれる乳酸菌は、腸内環境を改善し、自律神経のバランスを整えることにも貢献することから、ストレス軽減に役立つ。
4-2.ミルクココア
ココアには、カルシウムやビタミンB1、たんぱく質やカカオポリフェノールなど、ストレス解消に効果がある栄養素が豊富に含まれる上、自律神経を整えるテオブロミンという成分も入っている。
カルシウムやトリプトファンが含まれる牛乳と組み合わせることによって、ストレスへの高い効果が期待できる。
4-3.オレンジジュース
オレンジジュースにはビタミンCが豊富に含まれていることから、ストレス解消に効果が期待できる。糖質も含んでいるため、疲労回復や集中力を高めることにも役立つとされている。
活性酸素が減り体重減少に役立つという研究結果もあるが糖分も多いため、果汁100%など砂糖が添加されていないものを選ぼう。
4-4.炭酸水
炭酸水に含まれる炭酸ガスには、副交感神経に働くことでストレスによる不安や緊張を抑え、リラックスする効果が期待できる。
また、炭酸ガスが胃を刺激することで、血行促進や疲労回復にも役立つ。無糖がおすすめだ。
4-5.緑茶
緑茶にはリラックス効果があり、緑茶に含まれるビタミンCは保存性が高く熱にも強いことから、こまめな摂取にも向いている。
また、カフェインやテアニンにもストレスに対して有効である。
カフェインには疲労感や眠気を防ぎ、神経系の疲労回復、代謝活動をスムーズにする効果があるとされ、テアニンには神経を鎮静させる働きがあり、リラックス効果を期待できる。
5.ストレスが溜まったときに注意したい食べ物・飲み物
ストレスが溜まっているときに摂取することで、余計にストレスを増やしてしまうものもあるため、できるだけ摂らないように気を付けることが必要だ。
5-1.脂質、糖質、脂っこい物
ストレスを感じると、脂っこい食べ物や甘いものを選んでしまいがちだ。
しかし、体が脂質や糖質を代謝するとき、抗ストレスホルモン作りに必要なビタミンB群を消費してしまう。飲み物は無糖のものを選ぶなど、なるべく食べないように注意したい。
5-2.カフェインを含む飲み物
カフェインを含むコーヒーや紅茶は、適量であればストレス解消に効果がある反面、摂りすぎると神経が緊張してしまい、イライラにつながりやすい。カフェインの適量には個人差があるが、飲み過ぎないことを心がけよう。
5-3.薬を服用中の方
薬を服用中の方は、飲み合わせや食べ合わせによって薬の効果が変化することもある。まずは主治医に確認するなどし、十分注意してほしい。
6.まとめ
食事は、ストレス解消に役立つ楽しい時間であると同時に、暴飲暴食によって新たなストレスの原因となることもある。ストレス解消に効果がある食材をバランス良く摂ることは、同時に健康的な食事を取ることにもつながる。
ストレスを感じているときこそ、栄養バランスの良い食事を心がけ、好きなものを食べるにも適量に留めることを意識したい。
管理栄養士資格、栄養士資格、フードスペシャリスト資格
食事療法が必要な方や老若男女問わず、心身ともに健康になれるお食事のお手伝いがしたいという想いから、タイヘイ株式会社に入社。現在は、管理栄養士として在宅向け商品の開発・販売とお電話でよせられるお客様からの食事に関するご相談の業務を行なっています。より多くの方が健康な日々を過ごせるように、食と健康に関する豊富な情報を発信していきます。
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