2022.12.13

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介護食

ミキサー食作りのポイントと介護食用ミキサーの選び方

ミキサー食作りのポイントと介護食用ミキサーの選び方

「家のミキサーでも介護食を作れるのかな・・・」少し食べやすくしてあげたいけど、どんなことに気をつけたら良いのか分からないと不安ですよね。

実は、普段の食事をそのまま細かくしただけのミキサー食は誤嚥リスクが高く、あまり推奨されていません。飲み込む力が落ちた高齢者が食べやすいようにとろみや見た目を工夫して、はじめて介護食となります。

そこで今回は、ミキサー食作りのポイントと介護食に適したミキサーの選び方についてご紹介します。ミキサー食を作る際の注意点と合わせてぜひ参考にしてみてください。

1.ミキサーで作れる介護食の特徴~ミキサー食とペースト食~

「食事中にむせることが増えてきた」「硬いものがかめない」「柔らかいものも飲み込みにくくなった」こんな様子がみられたら飲み込みやすい介護食に変えましょう。

介護食は5つの段階があり、舌でつぶせる程度の形がある具材を飲み込めなくなったら、ミキサー食やペースト食に移る段階です。下の表を参考にして適した介護食を作りましょう。

ミキサーの刻み方や水分量、とろみを調整することで自宅でもミキサー食とペースト食が作れます。

<介護食の種類と特徴>

介護食の種類 飲み込みやすさ 形状や固さの特徴

料理例

普通食 1 飲み込みや噛む力に問題のない人向けの通常食 白飯、焼き魚など
ソフト食 2 具材の形がある、舌でつぶせる程度の柔らかさ 三~五分粥、煮込みハンバーク、あんかけ大根など
ミキサー食 ペースト食 3 具材の形はほとんどなく、柔らかい粒が残る粥やスープのような状態。 粒の残る粥、パン粥、卵スープ、とろろ汁など
ピューレ食 4 形も粒もない、なめらかな重湯やスープのような状態。 重湯、葛湯、魚ペースト、野菜ピューレなど
ムース食 5 形も粒もない、なめらかなにしたものをムース上に柔らかく固めている。 重湯ゼリー、ほうれん草ゼリー、海老ムース、プリンなど

 

2.介護食をミキサーで作るときのポイント

ミキサー食はきちんと注意点を押さえて調理しないと、かえって誤嚥をまねく危険もあります。適度な水分量やとろみ、適した食材、見た目など安全面や食欲に十分配慮して作ることが大切です。

誤嚥を避けるためにとろみが必要

ミキサー食は水分量が多いため、そのまま食べるとむせやすく、誤嚥のリスクが高まってしまいます。飲み込みやすいように、とろみ剤や片栗粉、コーンスターチなどでとろみをつけてポタージュ状になるように粘度を調整しましょう。

食材ごとに分けてミキサーにかける

食材ごとに分けてミキサーにかければ、色味がきれいにでるので盛り付けたときの見た目が良くなります。

複数の食材を一度にミキサーにかけると、見た目だけでなく味やにおいも悪くなってしまい食欲減退につながります。個別にミキサーにかけ、その都度洗いながら食材の色や味が移らないように注意しましょう。

エネルギー調整を行う

ミキサー食は食材に水分を加えて作るため、かさが増して食べきれなくなる場合もあります。小食で完食が難しい方は、栄養バランスを考えて高エネルギー食品のバターやマヨネーズ、チーズなどを使い栄養を補いましょう。

ただし、消化機能が低下している高齢者は、油をたくさん摂ると下痢になりやすくなるため注意が必要です。必要に応じて栄養補助食品や果物、おやつでエネルギー調整を行うといいでしょう。

彩りや盛り付けを工夫する

ミキサー食は食材の形がなくなってしまうので、食欲がわかなくなる高齢者も少なくありません。彩りや盛り付けなど、おいしく食べてもらえる工夫も大切です。

例えば、かぼちゃの皮をむいてからミキサーにかけるひと手間で、きれいな黄色のミキサー食が完成。型に入れてテリーヌやゼリー寄せのようにしても見た目に楽しい食卓になります。

ミキサー調理に向かない食材は注意

ミキサー調理に向かない食材は使用を控えましょう。ミキサーにかけた時、繊維質や粒が残りやすく誤嚥につながる可能性があります。

<ミキサー食に適さない食材>

  • イカ、タコ、コンニャク、キノコ類など弾力のある食材
  • ゴボウ、タケノコ、ふき、アスパラガスなどの繊維質の多い食材
  • 脂肪や水分の少ない赤身の肉や魚

ミキサー食におすすめの食材は、イモ類、豆類、煮物類、葉物野菜、温野菜などです。

3.介護食作りにおすすめのミキサーの選び方

食事は毎日作るものなので、使い勝手の良いミキサーで介護食を作りたいですよね。ミキサーには、さまざまな種類があり性能も異なります。ここからは、おすすめのミキサーの選び方を5つのポイントからご紹介します。

ジャーの素材は使いやすさで選ぶ

ミキサーのジャー部分(食材を入れる器)の素材は、使いやすさ・お手入れのしやすさを考慮して選びましょう。ジャーの素材は主に3種類あります。

  • ガラス製:割れやすいが食洗機や電子レンジも使用可能。傷がつきにくく衛生的。
  • プラスチック製:軽く割れにくいので扱いやすい。リーズナブル。しかし傷がつきやすく色やにおい移りが気になることも。
  • トライタン製:医療用器具メーカーが開発した最新プラスチックで、軽い上にガラスのような耐久性、耐熱性もある。

刃の形状は波型・ギザ型がおすすめ

ミキサーの刃の形状は、大きく分けて平型・波型・ギザ型の3種類ありますが、ミキサー食へのおすすめは波型とギザ型です。食材を砕く力が強く、なめらかな仕上がりになります。

  平型 波型 ギザ型
柔らかい食材
固い食材
特徴 食感が残りやすい。粗めに切りたい時におすすめ。 ある程度食感は残るが、固い野菜も刻める。食材を細かくし過ぎないが、なめらかでミキサー食にも使える。 食材をペースト状できるので、1番ミキサー食に向いているといえる。ジュースやスムージーにも活用できる。

 

ワット数・回転数で粉砕力が決まる

ミキサーの粉砕力はワット数で変わります。ワット数が大きいほど回転力が高まるため、食材を切り刻むパワーも強まります。粒感を残さないなめらかな仕上がりにしたい場合は、300W以上のミキサーを選ぶのがおすすめです。

100W前後~1000Wまで商品によって大きく異なるため、高齢者のかむ力や飲み込む力、食感の好みに合わせて適切なワット数のものを選びましょう。

一度に作る量に適した容量を

ミキサー食をその都度作る場合とまとめて作る場合では、適切な容量は異なります。大きすぎると保管場所に困ったりお手入れが大変になったりするので、作るペースに合わせて選ぶと後悔しにくいでしょう。

  • 400ml:1人分ずつ介護食を作るとき
  • 800~1000ml:一度に作り置きしたいとき

フードプロセッサーは介護食には不向き

ミキサーと機能の似た調理家電にフードプロセッサー、ジューサー、ミルなどがありますが、それぞれ得意分野は異なります。「ミキサー食」と言われるように、スープ状の介護食を作る際はミキサーを選ぶようにしましょう。ある程度食材の繊維を残し、口当たりのいい介護食を作るにはミキサーが最適です。

4.介護食を作るのが大変な時は宅配弁当もおすすめ

毎食ミキサー食を作るのは手間と時間がかかり、ときには介護食を作るのが大変だと思うこともありますよね。そんなときは、健康に配慮した宅配弁当を利用してみませんか。

例えば、宅配健康食のタイヘイなら、かむ力が弱い人に向けたファミリーセットのやわらか食やムース食のお弁当をご用意。冷凍で届くので、取り置きも調理も簡単です。

さわらの柚庵焼き、オムレツのトマトソースなどの栄養士が選んだメニューが届き、見た目も鮮やか。食べやすい味付けの献立を厳選しております。朝食コースもありますので、時間がない時や忙しい日にぜひご活用ください。

5.まとめ

高齢者が舌でつぶせる程度の介護食を飲み込めなくなったら、ミキサー食に移る段階です。ミキサー食は食材をポタージュ状に攪拌したもので、ペースト食、ピューレ食に分けられます。

水分が多いためとろみ剤で粘度を調整したり、食材ごとの攪拌・盛り付けで見た目を美しくしたりと、高齢者に食べてもらいやすい工夫が必要です。栄養バランスを考えたエネルギー調整も忘れないようにしましょう。

ミキサーを購入する時は、ジャーの素材や容量、刃の形状、ワット数に注意しながら選ぶとなめらかな介護食が作れるでしょう。

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