2020.07.17

血糖対策

夏は糖尿病に注意!原因となる生活や気をつけたいこと

夏は糖尿病に注意!原因となる生活や気をつけたいこと

夏は、すでに糖尿病を患っている人はもちろん、普段から血糖値が高めの人にとっても、要注意の季節である。実際、気づかないうちに血糖値が上がっていたり、塩分を摂りすぎたりしている人も多い。
今回は、夏に注意したい生活習慣や食事についてお伝えする。

1.そもそも糖尿病の原因とは

糖尿病は1型糖尿病・2型糖尿病・その他の3種類に分けられる。

1型糖尿病

インスリンが分泌できなかったり、分泌量が極端に少なかったりすることで発症する。ウイルス感染が原因となることが多い。

若い世代、特に10代に多くみられるが、患者数自体は少ない。

2型糖尿病

インスリンの分泌量が減ったり、働きが鈍くなったりすることで発症する。体質以外にも、カロリーの摂り過ぎや運動不足など、肥満が原因となることが多い。

特に中高年に多く見られるが、若年層でも不摂生が続くと発症する。

その他 他の病気によって糖尿病が引き起こされる場合や、妊娠をきっかけとして妊娠糖尿病を発症する場合がある。

このうち、生活習慣病として呼ばれているのが2型糖尿病であり、糖尿病の95%がこのタイプとされている。
健康な人であれば、食事から摂取された糖質は、ブドウ糖に変換され血液と共に全身を巡る中で、膵臓から分泌されるインスリンによってエネルギー源として利用されたり、脂肪細胞に蓄えられたりする。

通常であれば、インスリンが働くことで、血糖値は一時的に増えても、一定の範囲内に収められる。
しかし、このインスリンの分泌量が少なくなったり、働きが悪くなったりすると、ブドウ糖を血液中から体内にうまく取り入れることができず、血液中にブドウ糖が溢れることとなる。これが高血糖と呼ばれる状態だ。
他にも、分泌されたインスリンが対応しきれないほど大量のブドウ糖が生成されることでも、高血糖状態が引き起こされる。
高血糖状態が慢性的になり、身体に様々な悪影響を及ぼすこととなるのが、糖尿病という病気である。

2.夏はブドウ糖を蓄えやすい

注意したいのは夏の生活習慣だ。ブドウ糖を蓄えやすく、糖尿病や糖尿病予備軍になるリスクが高いと言われている。

2-1.炭水化物を取りがち

夏は食欲が落ちやすく、そうめんなどの冷たいものや、のどごしが良いものを選びたくなる。また、調理自体もおっくうになるため、主食のみでさっと済ましてしまうことや、外食でも手軽に食べられる麺類などに頼ってしまう機会が増える。
必然的に、たんぱく質やビタミン類は不足しがちとなり、炭水化物ばかりを摂取してしまうことで、ブドウ糖の生成量も増加する。

2-2.運動不足になりやすい

夏は日中の強い日差しや、日が落ちても気温が下がらないことにより、屋外での運動が行いにくい。また、冷房が効いた室内と暑い室外の気温差で夏バテになりやすいことも、運動不足の原因となる。
運動は、体内のブドウ糖をエネルギーとして消費する。そのため、多少炭水化物などを摂り過ぎても、適度な運動を行えば高血糖状態は避けられる。しかし、運動不足が続くことで、消費されなかったブドウ糖が体内に蓄えられやすくなってしまう。

3.塩分の過剰摂取にも注意

麺類を食べる機会が増え、ビールなどのアルコールを摂取する機会が増える夏は、おつまみに辛味や濃い味のものが欲しくなるなど、塩分を摂り過ぎてしまう可能性が高い季節だ。塩分そのものが血糖値に直接影響するわけではないが、塩分の過剰摂取は血圧の上昇や体重の増加に繋がりやすい。
高血圧や肥満の結果として、インスリンが効きにくくなるインスリン抵抗性を引き起こし、間接的に2型糖尿病のリスクを高めることとなる。

4.夏の糖尿病対策

最後に、夏を乗り切る糖尿病対策をお伝えする。

4-1.規則正しい食事が基本

バランスのよい食事が血糖コントロールには必須である。偏食にならないよう気を付け、3食規則正しく食べるようにしたい。
食べる順番も、野菜から食べ始めるようにし、魚や肉類、最後に米飯や果物を食べる「ベジファースト」を意識することが理想的だ。野菜に含まれる食物繊維には小腸からの糖や脂質の吸収を抑制する作用があり、食後に血糖値が急上昇することを抑えてくれる。

4-2.血圧、熱中症対策を鵜呑みにしない

夏は血管の拡張や発汗によって、本来の数値よりも血圧が低く測定されやすい。そのため、高血圧を指摘されている人は、一時的な数値に油断することなく減塩を続けよう。
熱中症対策では塩分を摂ることを推奨する向きもあるが、高強度の運動や長時間屋外で労働するなどして大量に汗をかかない限り、水やミネラルを含んだ麦茶だけで良いとも言われている。
近年流行している熱中症対策の飲料水は、100mlあたりの食塩相当量が0.1~0.3g以上と、思いのほか大量の塩分を含む。水分補給として飲んでしまうと、結果的に塩分過多になってしまうことは少なくない。
日頃の活動状況を鑑みた上で、医師と相談して摂取量を決めることが大切だ。

4-3.適度な運動を続ける

適度な運動を続けることは、ブドウ糖を上手く消費し、糖尿病に繋がる肥満を防止することにもなる。
猛暑日の日中などに運動をすることは避けたいが、涼しい時間帯を選び、運動する習慣を身につけることで、血糖値を良好な状態に維持しよう。

5.まとめ

夏は、食欲の減退から食生活が乱れることが増え、麺類のみや主食のみといった、炭水化物ばかりのメニューに偏りがちとなる。また、日差しの強さや気温の高さによって運動不足になりやすく、体内のブドウ糖の消費が滞ってしまうことで、肥満や高血糖となるリスクが高まる。
良好な血糖コントロールのためには、バランスが取れた食事を規則正しく3食取り、適度な運動を続けることが重要だ。また、熱中症、脱水症予防のために水分補給をする際も、水や麦茶を優先して選び、塩分や糖分の多い飲料は控えることを心がけよう。

 

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