2021.10.05
健康食
タンパク質の1日の摂取量は?タンパク質制限中の摂取量も紹介
健康志向の高まりと共に、タンパク質の重要性が見直されていますが、自分にとって適切な摂取量を知っていますか?
タンパク質は3大栄養素のひとつであり、血液や筋肉など体を構成する要素として重要な働きがありますが、状況によって摂取量を調整する必要があります。
そこで今回はタンパク質の適切な摂取量について、一般的な人、筋トレ中など運動量が多い人、腎臓が弱り制限が必要な人、3つのケースに分けて解説します。
目次
1.適切なタンパク質の摂取量は体重1kgあたり1.0~1.2g/日
一般的な成人の適切なタンパク質摂取量は、標準体重(身長m×身長m×22で算出)1kgあたり、1.0~1.2g/日といわれています。例えば、標準体重が60kgの人の場合、1日60g程度のタンパク質摂取が目安になります。
実際にどのような食事でまかなえるのか、下記に表してみました。
食事内容 |
タンパク質の含有量 |
ご飯3杯 |
7.5g |
納豆1パック |
12.4g |
皮付き鶏もも肉100g |
17.3g |
鮭1切れ |
15.8g |
豆腐1/2丁 |
9.9g |
以上の献立で、1日のタンパク質の合計摂取量は62.9gになります。肉や魚といった主菜、だけでなく、豆腐や納豆などの副菜からも取り入れられるので、1日60g程度なら摂取することは難しくないはずです。
2.運動量の多い人は摂取するタンパク質も増やす
普段から運動量の多い人は、タンパク質の摂取量を増やす必要があります。その理由は、タンパク質の摂取量が少ないと、筋肉を構成するタンパク質が分解されてエネルギー源として使われてしまうからです。
通常、運動時は体内に蓄えられた糖質や脂質がエネルギー源として用いられます。しかし、運動量が高まる、運動が長時間に及ぶなどしてエネルギーが枯渇すると、体は筋肉を分解してエネルギー源として活用できるタンパク質を取り出そうと機能します。
筋肉量の減少は日々のパフォーマンスにも影響を及ぼす可能性があるため、筋トレや健康のためにジョギングや水泳など続けている人、重いものを頻繁に運ぶような肉体労働に就いている人は、標準体重1kgあたり1.2~2.0gのタンパク質摂取を心がけましょう。
普通の人の2倍ものタンパク質を摂取するとなると、食事の量や回数を増やさないといけないと思われがちですが、鶏むね肉などの高タンパク質食材を積極的に取り入れる、プロテインを活用するなど、効率的な方法で補うのがおすすめです。
3.タンパク質制限中の摂取量と注意点について
腎臓の機能が低下している場合、タンパク質を代謝した際の老廃物である尿素窒素などの毒素が排出されず体内に蓄積するため、タンパク質制限を行う必要があります。
そこで、タンパク質制限中の適切な摂取量について解説します。
タンパク質制限中の摂取量は?
腎機能の低下する慢性腎臓病(CKD)の人は、ステージによりタンパク質の制限量が異なります。
2014年の日本腎臓学会のガイドラインによると、標準体重1kgあたりの摂取量は、ステージG1~G2は1.3g未満/日、ステージG3aは0.8~1.0g/日、ステージG3b~G5は0.6~0.8g/日に設定されています。
※上記は目安であるため、必ず主治医の指示に従ってください。
例えば、標準体重60kgでステージG3b~G5の人の場合、1日のタンパク質摂取量は36~48gまでということです。この摂取量を満たす一日の食事内容が下記です。
食事内容 |
タンパク質の含有量 |
ご飯3杯 |
7.5g |
納豆1パック |
12.4g |
皮付き鶏もも肉100g |
17.3g |
鮭1切れ |
15.8g |
豆腐1/2丁 |
9.9g |
以上の献立で、1日のタンパク質の合計摂取量は45.6gです。
肉や魚、卵、大豆製品などにタンパク質が豊富に含まれていることはよく知られていますが、米や小麦、調味料にも含まれているので注意しましょう。
タンパク質制限で注意すること
限られたタンパク質で効率よく筋肉や血液をつくるには、植物性より動物性タンパク質が重要です。摂取するタンパク質のうち50~60%は動物性になるよう意識しましょう。
また、エネルギーが十分に摂取できてないと、筋肉中のタンパク質が分解されて窒素代謝物が増えるため、さらに腎臓に負担をかけてしまいます。糖尿病や肥満などの疾病がない場合は、標準体重1kgあたり30~35kcal/日を目標にエネルギー摂取します。
ただし、これらはあくまで目安であるため、主治医や管理栄養士の指示に従ってください。
4.タンパク質を控えたい方には宅配弁当がおすすめ
タンパク質を制限する場合、栄養計算も必須です。しかし、食材や調味料に含まれるタンパク質量を計算しながら毎日3食分の食事のことを考えるのはかなりの労力を要します。そんな時は、あらかじめタンパク質量が調整された専用の宅配弁当がおすすめです。
例えば、タイヘイの「たんぱく調整食」はタンパク質と塩分の制限がある人向けに開発された弁当で、管理栄養士が選んだ日替わりメニューが自宅まで届きます。電子レンジで温めて食べるタイプの冷凍弁当なので、まとめて冷凍庫にストックしておけば、いつでもすぐに食事を用意できます。
1食あたりのタンパク質量は10g以下、塩分2.0g以下、エネルギーは300kcal以上で、腎臓をいたわりながら最低限必要なエネルギーを摂取できるのもポイントです。
5.まとめ
一般的な成人のタンパク質摂取量は、標準体重1kgあたり1.0~1.2g/日が適切といわれています。運動量が多い人はより多くのタンパク質が必要なため、標準体重1kgあたり1.2~2.0g/日程度を目標にしましょう。
一方、腎臓の機能が低下している人はタンパク質制限が必要であり、ステージにより制限量も異なるので注意が必要です。また、動物性たんぱく質を多めに摂ることと、標準体重1kgあたり30~35kcal/日のエネルギー摂取を心がける必要があります。
栄養計算やタンパク質量を計算するのが面倒な場合は、タンパク質制限に対応した宅配弁当を利用しましょう。
管理栄養士資格、栄養士資格、フードスペシャリスト資格
食事療法が必要な方や老若男女問わず、心身ともに健康になれるお食事のお手伝いがしたいという想いから、タイヘイ株式会社に入社。現在は、管理栄養士として在宅向け商品の開発・販売とお電話でよせられるお客様からの食事に関するご相談の業務を行なっています。より多くの方が健康な日々を過ごせるように、食と健康に関する豊富な情報を発信していきます。
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