2019.07.01
高血圧対策
血糖対策
メタボ対策
メタボと診断された!食事から改善するメタボリックシンドローム
新型コロナウイルス感染症の流行により外出を自粛し、運動量の減少やストレスによる過食で、初めてメタボと診断されたという人もいるのではないだろうか。
メタボリックシンドロームとは、腹囲が大きいだけでなく、高血圧、高血糖、脂質代謝異常といった複数の生活習慣病が組み合わさった状態である。食事改善で生活習慣病の進行を防ぐと、メタボの予防が期待できる。
そこで今回は、メタボの方に心がけてもらいたい食事の基本や改善ポイント、外食でもできる食べ方のコツについて紹介しよう。
目次
1.内臓脂肪を退治!基本的な食事のとり方
まずは内臓脂肪を減らすために意識したい、基本的な食事のとり方について確認していこう。
朝昼晩=3:4:3のバランスを心がける
1日に食べる食事の量を10とした場合、3食の割合は朝:昼:晩=3:4:3が適切といわれている。活動が活発になる昼は少し多めでもよいが、基本的に3食バランスよく割り振るのが理想的だ。晩はさらに少なくても問題ないが、反対に多くならないように注意したい。
また、1食抜くと次の食事でまとめ食いをしてしまう可能性がある。まとめ食いにより摂取したエネルギーは蓄積しやすいため、3食欠かさず食べることも重要である。
よく噛んでゆっくり食べる
食べ過ぎの防止には、よく噛んでゆっくり食べることが効果的だ。
一般的に、食事を始めてから脳が満腹だと感じるまで約20分かかるといわれている。つまり、早食いやよく噛まずに食べていると、満腹だと感じる頃には食べ過ぎている可能性が高い。
味わうようによく噛んでゆっくり食事すると満腹中枢が刺激されるため、うっかり食べ過ぎてしまうことも防げるはずだ。
夜ご飯は就寝3時間前までに
夜ご飯は就寝の3時間前までに済ませておくことがベストだといわれている。睡眠中はエネルギーの消費が抑えられ貯蓄に回りやすいため、就寝直前の食事はできる限り避けたい。
仕事などで忙しく、やむを得ず就寝直前の夕飯になってしまう場合は、食物繊維の多い野菜や不飽和脂肪酸の含まれる魚などを中心に、量を控えるとよい。
魚・野菜を多めにとる
なるべく肉を避け、魚や野菜が多めの食事を心がける必要がある。
メタボの人はLDLコレステロール値が上昇する原因となる動物性脂肪の摂りすぎとされている。肉を減らし、代わりに魚や大豆製品を摂ると良い。魚の脂にはLDLコレステロール値や中性脂肪値を下げるDHAやEPAが含まれている。
また、大豆に含まれるイソフラボンにもLDLコレステロール値の低下が期待できる。ほかにも、食物繊維が不足しないように野菜や海藻類なども忘れずに摂取しておきたい。
お菓子の食べ過ぎは厳禁
お菓子には糖分が多く含まれており、少量でたくさんのカロリーを摂取してしまうため食べ過ぎないように注意する必要がある。お菓子やジュースに含まれる果糖(フルクトース)は吸収されやすい単糖類であり、肥満につながる原因となる。
また、甘いものだけでなく、おせんべいのようにしょっぱいものでも高カロリーなため、甘いものでなければ良いというわけではない。食べる量や回数も気を付けたほうが良い。
2.メタボの症状別、食事改善ポイント
メタボリックシンドロームの診断基準は、ウエスト周囲径が男性なら85㎝、女性なら90㎝以上であり、かつ高値血圧、高血糖、脂質代謝異常のうち2つが当てはまる状態である。
以下に、メタボの症状別に食事改善ポイントをまとめる。
【高血圧】減塩して野菜・果物を多く摂取する
高血圧の場合は、塩分摂取を減らすとともに、野菜や果物を多く取り入れる必要がある。
診察室血圧では、収縮期血圧140mmHg以上かつ(または)拡張期血圧90mmHg以上で高血圧と診断される。
メタボリックシンドロームと診断される血圧の基準は、収縮期血圧130mmHg以上かつ(または)拡張期血圧85mmHg以上であり、高血圧の前段階である高値血圧とほぼ同水準となっている。高値血圧は脳卒中や心疾患のリスクが高まるため、十分な注意が必要だ。
高血圧対策・予防のためには、減塩が勧められるケースが多い。日本人の食生活は塩分をとりやすい傾向にあり、1日7~8g未満の摂取が目標とされる中、約2g多い9~10g摂取しているといわれている。
高血圧であれば、さらに塩分を減らすことを求められるケースもある。酢やレモンなどの酸味、大葉や生姜などの香味野菜を上手に取り入れて、食事を楽しみながら減塩に取り組もう。調味料、スープなどには塩分が多いため、汁物の汁を残すことも減塩に効果的だ。
また、野菜や果物に含まれるカリウムにはナトリウム排泄作用がある。毎食野菜を1皿以上取るなど、積極的に取り入れたい。
【高血糖】摂取カロリーと食べる順番に注意
空腹時血糖が110mg/dl以上の高血糖の方は、摂取カロリーに気を付けるとともに、食べる順番にも注意しよう。
カロリーの高い揚げ物や脂肪の多い食事などを好む人は、内臓脂肪が増え、糖の代謝異常を引き起こしかねない。食事はとりすぎないようにし、間食や甘いものの食べ過ぎにも注意が必要だ。
また、食後の血糖値を上げないように食べる順番にも気を付けたい。野菜類から食べ始め、次に肉や魚や大豆製品などのたんぱく質のおかず、最後にご飯などの炭水化物を食べるようにしよう。
炭水化物を食べるタイミングは、野菜を食べ始めてから10分以上経過していることが望ましい。この順番で食べると糖質の吸収が緩やかになり、血糖値の急上昇を抑えられるはずだ。
【中性脂肪値が高め】青魚を多めに食べる
中性脂肪値が高めの方は、青魚を多めに食べるように意識したい。
中性脂肪値は、内臓脂肪に蓄積される脂質だ。内臓脂肪が多い人は、中性脂肪が高値になりやすく、メタボの診断基準となっている。
魚の脂に含まれるDHAとEPAは不飽和脂肪酸のひとつであり、血中の中性脂肪値を低下させ、血液をサラサラにするといわれている。DHAとEPAは青魚に多く含まれているため、サバやイワシなどを取り入れた食事に変えるのもおすすめだ。
また、中性脂肪値が高い人は、食べ過ぎによるカロリーの過剰摂取や甘いもの・脂肪の多い食事になりがちである。食事量を見直し、減量することで中性脂肪値の対策が期待できる。
【HDLコレステロール値が低め】洋食や洋菓子を控える
動物性脂肪を含んだ洋食や洋菓子を食べ過ぎていると、HDLコレステロール値が低くなり、反対にLDLコレステロール値が高くなる可能性がある。
内臓脂肪が増えると、中性脂肪が増え、HDLコレステロール(いわゆる善玉コレステロール)は減少する傾向にある。HDLコレステロールが減少すると、動脈硬化を進行させる恐れがある。
また、悪玉コレステロールと呼ばれるLDLコレステロールには、増えすぎると動脈硬化を進行させる働きがあるため、LDLコレステロール値にも注意が必要だ。
LDLコレステロール値が高くなる原因は、飽和脂肪酸のとりすぎがあげられる。飽和脂肪酸は、肉の脂身やバター、ラード、生クリームに多く含まれるため、洋食や洋菓子をよく食べる人は控えると良い。
3.「食材の置き換え」で満足できる食事にする
メタボと指摘された時は、極端に食事量を減らすのではなく、食材や調理方法の工夫を検討すべきである。食事や調理方法をアレンジするだけで、満足できる食事をとりつつ、体質改善が期待できる。
例えば、低カロリーの食材を選ぶ、肉より魚を多くする、海藻類やきのこ類など食物繊維が多く噛み応えがある食材を使うといったことを意識するだけで、カロリーを抑えつつもボリュームのある食事になる。
また、肉類であれば、牛肉・豚肉は脂肪が少ないヒレ肉やモモ肉を選び、鶏肉はささみや胸肉を選ぶのも良い。調理方法としては、少量の油で揚げ焼きするとんかつや、鳥皮を除いて薄衣で揚げ焼きする唐揚げなどもカロリーを抑えられる。
4.スローカロリーとベジファースト
外食の機会が多く、すぐに食材の置き換えを始めるのは難しいという方も多いだろう。
そこで、外食でも使える「スローカロリー」と「ベジファースト」について解説する。
スローカロリー
スローカロリーとは、食べ物をゆっくり消化吸収するという考えから生まれた言葉だ。
メタボと診断されたからといって、極端な糖質や脂質制限など無理なダイエットを続けると、かえって体に負担をかける恐れがある。そこで、食事の量ではなく、食べる順番や時間、食材を意識することで、糖質の吸収を抑えるスローカロリーが注目されている。
次に紹介するベジファーストは、スローカロリーでも推奨されている方法で、誰でも簡単に実践できるはずだ。
ベジファースト
ベジファーストでは、野菜など食物繊維の多い食べ物から食べていく。このとき、ゆっくりよく噛んで食べるようにすることが重要だ。
まず、食物繊維の多い野菜、ナッツ類から食べる。食物繊維が糖質の吸収を抑えるため、血糖値の急上昇予防につながる。
次に、たんぱく質が豊富な肉類、魚類、大豆類を食べる。肉類ばかりでなく、魚、大豆類とさまざまな種類を取り入れると、カロリーも抑えられる。先に食べた食物繊維がお腹にあるので、高脂肪のリスク軽減にもつながる。
最後に食べるのは、糖質の多い米やパン類だ。白米は玄米や雑穀米に、白いパンは全粒粉パンやライ麦パンに変えることで、糖質の吸収を抑える効果が期待できる。
5.宅配弁当はメタボの方の心強い味方
ここまでメタボの方が気を付けたい食事方法について紹介してきたが、カロリーや塩分、栄養バランスなど、すべてに配慮した食事を用意するのは容易なことではない。
さらに、メタボ対策は長期間にわたると予想されるので、無理なく続けられる方法でなければならない。
そこでできるだけ楽に食事改善したい、という方におすすめなのが宅配弁当だ。特に管理栄養士や医師が監修した宅配弁当であれば、届く料理を食べるだけで簡単に食事の見直しが図れる。
もちろん、自宅まで届くので、感染症対策に外出を控えたいという方にも最適だ。
6.まとめ
メタボリックシンドロームの予防・対策は、食事が重要である。カロリーを控え、バランスよく食事をとることが大切だ。
肥満傾向にある人は、体重を落とすことが必要になるが、無理な食事制限は体に負担をかけてしまう。食事をとるときは、食物繊維が多い・低カロリーの食材を選び、ゆっくりよく噛み、食べる順番を意識してみよう。
メタボが心配で食事を見直したいが、自分で行うには負担が大きいと感じる方は、管理栄養士や医師が監修した宅配弁当がおすすめ。
例えば、管理栄養士が選んだ日替わりメニューが届くタイヘイの宅配弁当「ヘルシー御膳®」は、お弁当をすべて食べても200kcalで、塩分相当量も2.5g以下になっている。医師が監修に携わっており、消費者庁の食事療法用宅配食品等栄養指針に基づいて提供しているので、メタボが気になる方にもおすすめの食事となっている。
さらに栄養価を徹底的に見直したい方には、150kcalで塩分相当量1.3g以下に設定された「彩ごころコスモス」もぴったり。1食あたり500円~で、管理栄養士が監修した食べごたえのあるおかずが4品つくので、手軽に食事改善を図ることができる。
栄養を考え抜いて作られた宅配弁当で、なるべく楽に食生活を見直し、メタボからの脱出を目指そう。
管理栄養士資格、栄養士資格、フードスペシャリスト資格
食事療法が必要な方や老若男女問わず、心身ともに健康になれるお食事のお手伝いがしたいという想いから、タイヘイ株式会社に入社。現在は、管理栄養士として在宅向け商品の開発・販売とお電話でよせられるお客様からの食事に関するご相談の業務を行なっています。より多くの方が健康な日々を過ごせるように、食と健康に関する豊富な情報を発信していきます。
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