2020.09.11
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健康食
外食で減塩する方法と長続きさせるコツ
日本人の食事摂取基準2020年版において、食塩摂取の目標量は、男性7.5g/日、女性6.5g/日とされている。メニューに成分表示をする飲食店も増えてきたが、塩分量まで書いてあることは稀である。ただ、外食に含まれる塩分量の目安を知れば、取り過ぎを回避することが可能だ。本記事では外食に含まれる塩分量や、減塩するポイントについてお伝えする。
目次
1.まずは塩分量の目安を知ろう
普段の食事で減塩を意識していても、外食をすると塩分をいつのまにか摂りすぎることになってしまう。まずは、外食にはどのくらいの塩分が含まれているのか、ざっくりとした目安を知っておきたい。
1-1.麺類
時間のない時にさっと食べられて便利な麺類は、食事以外にも飲酒後の〆の一品などで食べる機会があるだろう。もちろん店や地方により、つゆの濃さや具の種類は多少異なるが、どれも塩分が多めとなっている。
特にラーメンは1杯で1日の摂取目安を超えてしまう可能性がある、高塩分のメニューである。また、チャーシュー・メンマ・なると・紅しょうがなどにも塩分が多く含まれるため、トッピングの量にも注意したい。
【表】
そば・うどん | g | 中華麺 | g | スパゲティ | g |
かけそば | 6.3g | 醤油ラーメン | 7.7g | ボンゴレ | 3.6g |
ざるそば | 2.7g | 塩ラーメン | 5.6g | ミートソース | 5.2g |
天ぷらそば | 6.6g | 味噌ラーメン | 7.1g | カルボナーラ | 4.1g |
きつねうどん | 7.7g | とんこつラーメン | 7.4g | ナポリタン | 4.4g |
カレーうどん | 3.5g | 焼きそば | 4.2g | 和風きのこ | 3.8g |
なべ焼きうどん | 7.9g | 冷やし中華 | 3.0g | たらこ | 2.8g |
【表終わり】
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1-2.ハンバーガー、丼もの、ピザ
ファストフードの類は基本的に複数品を組み合わせて食べることが多いため、合計の塩分量が高くなりやすい。
また、ポテトやナゲットに使用することが多いソース類は、1パック(20g)当たり塩分0.5gを含むことから、可能なら何も付けずに食べるようにしたい。何人かでシェアして食べるのもいいだろう。
【表】
ハンバーガー店 | g | 丼もの | g | ピザ1切れ当たり | g |
ハンバーガー | 1.4 | 牛丼 | 2.7 | マルゲリータ | 0.9g |
チーズバーガー | 1.9 | カツ丼 | 2.9 | ミックス | 1.9g |
てりやき | 2.1 | 天丼 | 2.5 | シーフード | 1.1g |
フィッシュ | 1.4 | 中華丼 | 2.8 | てりやき | 1.4g |
ポテト(M) | 0.8 | 味噌汁 | 1.4 | ||
ナゲット(5個) | 1.3 | お新香 | 0.8 |
【表終わり】
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1-3.定食、寿司、弁当
一般的に定食や弁当の主菜は、ご飯やパンに合うよう濃いめの味付けが多いため、塩分量も増えやすい。醤油やソースが付いてくることも珍しくないが、塩分量を考えるならできるだけ使用を避けよう。
一皿ご飯は、それだけでも塩分量が多めだが、ここに汁物やサラダのドレッシングを加えるとさらに合計量が跳ね上がるため気を付けたい。
【表】
定食 | g | 一皿ご飯 | g | 寿司・弁当 | g |
焼き魚定食 | 3.5 | オムライス | 3.3 | にぎり寿司1人前 | 3.1 |
刺身定食 | 3.9 | ドライカレー | 2.1 | ちらし寿司1人前 | 4.1 |
唐揚げ定食 | 3.4 | ビーフカレー | 4.0 | いなり(小4個) | 2.8 |
ハンバーグ定食 | 3.6 | チャーハン | 3.7 | のり弁当 | 4.0 |
麻婆豆腐定食 | 4.8 | 釜飯 | 6.0 | しゃけ弁当 | 6.8 |
レバニラ定食 | 5.8 | うな重 | 5.4 | 幕の内弁当 | 4.8 |
【表終わり】
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1-4.酒のつまみ
つまみは全般的に塩分量が多く含まれている上に、複数品を少しずつ食べることが多いことから、実際にどれだけの塩分を摂っているのか把握できないことがしばしばある。
例えばおでんなどは一つひとつは大きくないが、煮汁を吸っているため意外に塩分が多い。また、シメとして食べるお茶漬けや麺類、汁物でもさらに塩分量が上乗せされる。できるだけ控えよう。
【表】
つまみ類 | g | つまみ類 | g | おでん・シメ | g |
なす一本漬け | 4.0 | ほっけ開き焼き | 3.4 | はんぺん1個 | 1.2 |
えだ豆 | 1.9 | 焼鳥盛り合わせ | 2.0 | 大根1個 | 0.7 |
ポテトフライ | 3.3 | 鳥唐揚げ | 2.6 | 玉子1個 | 0.8 |
シーザーサラダ | 1.9 | ブリ大根 | 5.8 | 梅茶漬け | 4.5 |
ギョウザ6個 | 2.1 | タコ焼き8個 | 1.3 | シジミ汁 | 2.0 |
【表終わり】
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2.外食で減塩する方法
外食において、料理の塩分量自体を調整することは難しい。しかし、食べ方やメニューの選び方次第で、減塩することは可能だ。外食で減塩する際のコツを掴んでおきたい。
2-1.スープやつゆ、汁は残す
汁物のスープやつゆを残すことは、減塩の基本である。例えば醤油ラーメンはスープを飲み干してしまうと7.7gの塩分を摂取することになるが、スープを半分残すと約5.4g、味見程度に留めると約3.1gに減らすことができる
ざるそばでは、ほとんどの塩分をつけつゆが占めている。つゆにそばをどっぷり付けることは控え、そばの味と香りを楽しむようにすると良い。また、そば湯割りもつゆの割合を減らすなどして工夫しよう。減塩を考えるのなら、できるだけスープやつゆは残すようにしたい。
2-2.ソースやドレッシングはかけない
小さじ1杯に含まれる塩分量は、醤油0.9g、味噌0.7g、中濃ソース0.4g、ドレッシング0.2gである。ソースやドレッシングなどの調味料にも塩分が多いため、基本的には使用しないことを推奨する。
どうしても使用する場合は、上からかけたり和えたりするのではなく、少しだけ小皿に取ってつけながら食べよう。この方法なら舌で味をダイレクトに感じられるため、調味料をたっぷり使わなくても満足感が高くなる。調味料の代わりに、レモンやお酢、スパイスなどで味にアクセントを付けるのも良い。
調味料の量を減らすと始めは物足りないかもしれないが、続けていくうちに素材の味そのものだけでも十分においしく感じられるようになるだろう。
2-3.加工食品は避ける
味がそこまで濃く感じないものでも、加工食品の塩分量は高めだ。例えば薄切りのロースハム1枚で0.4g、かまぼこ2切れで0.6g、はんぺん大1枚で1.5gほども含まれている。
調理することでさらに塩分量が増えるため、加工食品が使われる料理はできるだけ避けるようにしたい。
2-4.食べ過ぎない
元々の料理が低塩分でも、大盛を選ぶとタレやソースなどに含まれる塩分も同時に増える。普通盛りを選択し、腹八分目を目安に食べるようにしたい。
どうしても足りないなら、代わりに野菜や果物などをセットに加えると栄養バランスも良くなる。ただし、果物は糖質が高いため、食べ過ぎないように注意しよう。
3.減塩を長続きさせるポイント
よほど明確な目的がないかぎり、減塩を意識し続けることは難しい。また、減塩にばかり気を取られ過ぎていると、食事が楽しくなくなってしまう。
そのため、特に好きな料理1品だけは、あまり減塩を意識しすぎることなく、今まで通り食べるようにすると良い。
その他の料理でしっかりと減塩を続けることができれば、薄味にも自然に舌が慣れてくる。減塩に慣れてくれば、カップ麺やインスタントの味噌汁などは、半分の濃さで十分満足できるようになるとも言われている。
無理し過ぎないことが、減塩を長続きさせるポイントだ。
4.まとめ
効率的に減塩するためには、外食でよく選ぶメニューにどのくらいの塩分が含まれているか、知っておくことが大切である。
塩分過多の原因となりやすい汁物のスープやつゆなどは飲まず、醤油やソースなどの調味料は使わないようにしよう。また、大盛は避け、腹八分目を目安に食べるようにすると良い。
いきなり全ての塩分量を抑えるのではなく、少しずつ舌を薄味に慣らしていくことが、減塩生活を長続きさせるコツだ。途中で投げ出すことなく、無理なく減塩を続けたい。
【参照サイト】
※1
埼玉県健康づくり協力店 外食料理の栄養成分一覧表|埼玉県
外食カロリー・塩分表|株式会社はーと&はあとライフサポート
※2
埼玉県健康づくり協力店 外食料理の栄養成分一覧表|埼玉県
データ一覧表|マクドナルド
吉野家メニュー情報130号 メニュー別・栄養成分・アレルギー物質一覧|吉野家
ピザの塩分量ってどれくらい?やっぱり種類によって違うの??|薪窯ナポリピザ フォンターナ
※3
埼玉県健康づくり協力店 外食料理の栄養成分一覧表|埼玉県
外食カロリー・塩分表|株式会社はーと&はあとライフサポート
※4
埼玉県健康づくり協力店 外食料理の栄養成分一覧表|埼玉県
2019年冬季 庄や栄養成分一覧(関東)|庄や
管理栄養士資格、栄養士資格、フードスペシャリスト資格
食事療法が必要な方や老若男女問わず、心身ともに健康になれるお食事のお手伝いがしたいという想いから、タイヘイ株式会社に入社。現在は、管理栄養士として在宅向け商品の開発・販売とお電話でよせられるお客様からの食事に関するご相談の業務を行なっています。より多くの方が健康な日々を過ごせるように、食と健康に関する豊富な情報を発信していきます。
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