2019.10.24
高血圧対策
牛乳は血圧を下げる。その理由と効果的な飲み方
牛乳は栄養豊富な食品として知られているが、そのミネラル成分に血圧を下げる効果がある、といま改めて注目されている。
牛乳が血圧を下げる理由と、効果的な飲み方、牛乳がもたらす健康について解説する。
目次
1. 牛乳には血圧を下げる効果がある
牛乳はカルシウム、カリウムなどのミネラルを豊富に含む食品だ。これらの成分が、血管を健康に保ち、体内の塩分を排出させることで、血圧を下げる効果をもたらしている。
カルシウムは、骨を作るだけではなく、血管や細胞の免疫力を守る働きがあるため、血管の健康維持には欠かせない成分である。
カリウムには、ナトリウムを体外へ排泄し、摂りすぎた塩分を調節する作用がある。また、カリウム不足は脳卒中のリスクを高める事もわかっている。
カルシウムとカリウムを多く含む牛乳は、高血圧の予防に効果的な食品として勧められている。安価で手軽なため、毎日の食事にぜひ取り入れたいものである。
1-1.血圧を下げる食事「DASH食」
DASH食とは、米国で推奨されている「高血圧を予防・改善する食事」のことを指す。野菜、果物、低脂肪乳製品を積極的に摂り、肉類や砂糖を減らすのが基本とされる。
これらの食品には、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルや食物繊維が多く含まれており、積極的に取り入れることで、余分な塩分の排泄を促し、血圧を抑えることが期待できる。
DASH食は、血圧を下げる効果が確認されており、塩分量を厳しく制限するよりも続けやすいといわれる。また、野菜類を積極的に摂るため、肥満の改善にも役立つ。
2.血圧を下げる効果的な飲み方
血圧を下げるためには、どのくらい牛乳を飲んだらよいのだろうか。
ここからは、血圧を下げるために効果的な2つの飲み方を紹介していく。
2-1.運動を取り入れながら、毎日牛乳を飲む
牛乳を飲むことに加えて適度な運動をすると、より効果が上がることが報告されている。
週2回以上30分程度の運動をしている人が、1日400mlの牛乳を飲むようになったら、血圧が下がったという内容だ。
また、毎日30分以上の有酸素運動(ウォーキング・自転車など)は、高血圧の予防や改善に有効であることが分かっている。運動は体重コントロールにも役立ち、肥満の防止にもつながる。
2-2.野菜も摂取する
牛乳だけ飲んでいれば血圧が下がるというわけではない。さまざまなミネラル、食物繊維などの栄養成分との相乗効果により血圧が下がるため、バランスのよい食事が理想である。
緑黄色野菜や海藻は、塩分を排出するミネラルと食物繊維が豊富であり、果実に含まれるマグネシウムは牛乳のカルシウムと作用して血圧をコントロールしてくれる。
また、多くの種類を食べることで満足感が得られ、食事療法のストレスが少なく、継続しやすいというメリットがある。
3.血圧改善だけではない牛乳効果
牛乳は血圧の改善だけでなく、美容や健康にも良い効果を発揮する。
3-1.美容に効くビタミンが豊富
牛乳には、美肌に欠かせないビタミン類も豊富に含まれている。
「老化防止ビタミン」と呼ばれるビタミンE、健康な唇や皮膚を作るビタミンB2、コラーゲンの生成促進をするビタミンC、女性に欠かせない鉄分など、美容に良い成分の宝庫である。
水溶性のビタミンなどは体内に貯めることができず、毎日摂る必要があるが、牛乳であれば毎日手軽に摂取できる。また、免疫力を高めるビタミンAも豊富なため、感染症の予防にも良い。
3-2.便秘予防にもなる
牛乳の乳糖は腸内で乳酸や酢酸に変わる。この成分が、腸のぜん動運動を高めて便を柔らかくし、便秘を防ぐ。
また、牛乳に含まれるたんぱく質には、善玉菌のビフィズス菌を増殖促進させる働きがあるため、腸内環境を整えてくれる。
ただし、牛乳を飲むと下痢をする・お腹が痛いという人は、乳糖不耐症の可能性がある。牛乳を温める、数回に分ける、乳糖が分解されている加工品で摂るといった方法を試すと良い。
しかし体調が良くない場合は、牛乳アレルギーの可能性も考えて無理はせず、医療機関に相談することが望ましい。
4.まとめ
牛乳は、たんぱく質やカルシウム、カリウムなどを含む栄養豊富な食品である。これらの栄養素が、ナトリウムの排泄を促し、血圧を下げる作用がある。
血圧を下げるために役立つ食事として、DASH食が注目されている。乳製品、野菜、果物を組み合わせて、様々な種類のミネラルや食物繊維の相乗効果での成果が報告されている。
また、定期的な運動や積極的な野菜摂取習慣と合わせて牛乳をとることでより効果が上がることが分かっている。美容や便秘予防の面でもメリットは大きく、毎日の食事に取り入れ健康に役立てたいものである。
管理栄養士資格、栄養士資格、フードスペシャリスト資格
食事療法が必要な方や老若男女問わず、心身ともに健康になれるお食事のお手伝いがしたいという想いから、タイヘイ株式会社に入社。現在は、管理栄養士として在宅向け商品の開発・販売とお電話でよせられるお客様からの食事に関するご相談の業務を行なっています。より多くの方が健康な日々を過ごせるように、食と健康に関する豊富な情報を発信していきます。
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