2023.03.23
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糖質と糖類の違いとは?食事制限をするときの注意点
「糖質ゼロと糖類ゼロの商品があるけれど、何が違うのかな…」と疑問をもたれた方は多いのではないでしょうか?
「糖質」と「糖類」は似ているようで異なる栄養素です。糖類ゼロの食品でも糖質は含まれている可能性があります。
そこで今回は、糖質と糖類の違いやそれぞれの特徴、食事制限をするときの注意点についてご紹介します。糖を正しく理解して、健康へ一歩近づきましょう。
目次
1.糖質と糖類の違い
糖質と糖類はどちらも炭水化物の一種で、「炭水化物>糖質>糖類」の順で小さく分類されていきます。
「炭水化物」=「糖質」と考える方もいるようですが、実際には「炭水化物-食物繊維」=「糖質」です。食物繊維は消化吸収されないため、糖質が身体のエネルギー源になります。
「糖類」は糖質の一部で、糖質から少糖類や多糖類、糖アルコールなどを除いたものです。単糖類(ブドウ糖や果糖など) と二糖類(砂糖や乳糖など)に分類されます。
2.糖質とは何か?
糖質と糖類の違いについてより詳しく理解するために、それぞれの役割や摂取する時の注意点を解説していきます。
まずは糖質の種類や役割などについて見ていきましょう。
糖質の種類
糖質は「単糖類」「二糖類」「少糖類」「多糖類」「糖アルコール」の5種類に分けられます。
<糖質>
・少糖類(オリゴ糖など)
・多糖類(でんぷん、グリコーゲン、ペクチン、グルコマンナンなど)
・糖アルコール(キシリトール、エリスリトールなど)
<糖類>
・単糖類(ブドウ糖、果糖など)
・二糖類(ショ糖、麦芽糖、乳糖など)
糖アルコール(キシリトール、エリスリトールなど)はブドウ糖や果糖などの単糖とは異なり、腸で吸収されにくい特徴があるため、低カロリーやカロリーゼロ、砂糖不使用などの商品に使用されることが多いです。
糖質の役割
ご飯やパンなどの主食に多く含まれている糖質は、主に身体を動かすために使われます。体温を維持したり、筋組織や脳、神経細胞、赤血球のエネルギー源になる栄養素です。
糖質が不足すると「低血糖」と呼ばれる状態になり、疲労感を覚えたり、集中力が下がったりする場合があります。症状が進行すると、震えやめまい、意識障害を起こす危険性があるため、過度な糖質制限はNGです。
一方、糖質を必要以上に摂りすぎると、過剰に摂取した糖質が中性脂肪として体内に蓄積され、肥満の原因になります。生活習慣病のリスクも上昇するため、摂取量には注意するようにしましょう。
糖質を多く含む食品
糖質を多く含む食品は以下の通りです。主に穀類、いも類、果物、加工食品、お菓子やジュースに多く含まれています。
食品名 |
量 |
糖質量 |
白米 |
150g(ご飯茶碗1杯) |
55.2g |
食パン |
60g(6枚切り1枚) |
26.6g |
うどん |
250g(1玉) |
52.0g |
スパゲッティ |
80g |
57.0g |
さつまいも |
100g |
30.3g |
じゃがいも |
100g(小1個) |
16.3g |
バナナ |
100g(約1本) |
21.4g |
りんご |
250g(1個) |
35.3g |
どら焼き |
100g(1個) |
55.6g |
ポテトチップス |
60g(1袋) |
30.3g |
オレンジジュース |
200ml | 24.0g |
ゆるやかな糖質制限を行う「ロカボ」では、1食20~40g、1日の総糖質量を130gに抑えることを推奨しています。ご飯1杯、うどん1玉にジュースを飲むだけで130gを超えてしまいます。
食べる量を調節する、糖質が少ない大根やブロッコリーなどの野菜と合わせるなどの工夫をしてみるといいでしょう。
糖質を摂るときの注意点
糖質を摂ると血糖値が上がり、膵臓からインスリンが分泌されて血糖値を下げようとします。実は、このインスリンには血糖を脂肪に変え、蓄える働きがあるのです。血糖上昇がゆるやかになるよう、以下のポイントを押さえて食事を摂りましょう。
- 野菜→おかず→主食の順で食べる
- 1日3食規則正しく食べる
- 間食を活用して空腹を防ぐ
- フルーツは食物繊維が多く含まれるものを選ぶ
- 甘味料なら、キシリトールやエリスリトールなど血糖値が上がりにくいものを選ぶ
食物繊維は糖の吸収をゆるやかにする働きがあるため、食物繊維の豊富な野菜、海藻類などを使ったおかずから食べ始めましょう。
また、食間が空くほど次の食事で血糖値が上がりやすくなるため、1日3食規則正しく食べ、時間が空きそうなら低糖質おやつを活用して空腹を防ぐことがおすすめです。
デザートは、食物繊維の豊富なフルーツや、血糖値の上がりにくいキシリトールやエリスリトールが使われたお菓子を食べるといいでしょう。
3.糖類とは何か?
糖質の一部である糖類とは、どのようなものなのでしょうか?
糖類の種類
糖類は単糖類(ブドウ糖や果糖など)と二糖類(ショ糖、麦芽糖、乳糖など)で構成されています。「糖」といったときに多くの人が想像するような、甘みのもとになる砂糖やブドウ糖などが糖類です。
糖類の役割
糖類は糖質の一部なので役割が似ており、身体のエネルギー源としての働きがあります。ただし、糖類は糖質よりも消化吸収しやすいため、食後の血糖値が急激に上がりやすくなるのが特徴です。
糖類を多く含む食品
糖類を多く含む食品は以下の通りです。主に果物類やはちみつ、ジュース類、お菓子などに多く含まれています。
食品名 |
量 |
糖類量 |
グラニュー糖 |
100g |
100g |
はちみつ |
100g |
43.6g |
干しぶどう |
100g |
38.5g |
コーラ飲料 |
500ml |
57g |
チョコレート |
70g | 28g |
果物には糖類が多く含まれていますが、体に必要なビタミンやミネラルも豊富なので食べすぎなければ問題ありません。
糖類を摂るときの注意点
糖類の摂取量が増えると、体重や虫歯が増加することを示す研究が多く発表されています。甘いものの食べすぎには注意しましょう。
世界保健機構(WHO)では、1日の糖類(※)摂取量を、総エネルギー量の5%未満に抑えることを推奨しています。成人では約25gです。
※厳密には遊離糖類(単糖類や二糖類と、はちみつ、シロップ、果汁など)
お菓子やジュースを止められないという方は、「糖類ゼロ」と書かれている食品を選ぶのもひとつの方法です。
4. “糖質”制限?”糖類”制限?今後の食生活で気をつけたいこと
「糖質制限」はウェイトコントロールやボディメイクのための食事法として有名ですが、「糖類制限」の方がベターではないかという考え方も出てきています。
糖質制限では炭水化物を減らすことに意識が向いてしまいますが、炭水化物に含まれる食物繊維、糖質であるでんぷん、オリゴ糖は腸内細菌のエサとなり、短鎖脂肪酸を生み出します。短鎖脂肪酸は腸の細胞のエネルギー源となり、腸を元気にしてくれる働きがあるため、炭水化物は適度に摂取することが大切です。
しかし、私たちの1日の炭水化物摂取量は、厚生労働省が推奨する適正量より不足しているとするデータもあります。
無理に糖質制限を行い、必要な栄養素の摂取量が減るより、単糖類や二糖類などの糖類だけを制限する「糖類制限」を行った方が良いといえるのではないでしょうか。
5.まとめ
「糖質」は炭水化物から食物繊維を抜いたもの、「糖類」は糖質の一部で、糖質から少糖類や多糖類、糖アルコールなどを除いたものです。どちらも身体のエネルギー源となる働きがあります。
食後に血糖値が急上昇すると脂肪を解加えやすくなるため、1日3食規則正しく食べる、野菜から食べるなどの食習慣をつけましょう。
特に、糖類は消化の必要がほとんどないので血糖値の急上昇を招くおそれがあります。糖質には腸内環境を整えるでんぷんやオリゴ糖などが含まれているため、糖類を中心に制限し炭水化物を適度に摂るのがおすすめです。
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