2023.05.23

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脂質が太る原因ではない?ボディメイクは糖質にこそ注目

脂質が太る原因ではない?ボディメイクは糖質にこそ注目

「脂っこいものが好きだけど、脂質を摂り過ぎると太るから…」と我慢しているなら、少し考え直してもいいかもしれません。

近年では「脂質が太る原因とは限らない」というのが定説。適量の脂質であればボディメイク中に摂取しても問題ないといわれています。さらに、脂質制限によるボディメイクはデメリットが多く、あまり効率的とはいえないようです。

効率的に理想の体型を目指すなら、脂質より糖質の制限がおすすめです。

今回は、脂質が太る原因ではないとされるのはなぜか、糖質制限をおすすめする理由についてご紹介します。脂質と糖質の仕組みを理解してボディメイクを成功させましょう。

1.脂質で太るとは限らない

今までのボディメイクの常識では「脂質を摂り過ぎると太る」とされてきましたが、最近では「脂質は直接的な原因とは言い切れない」といわれています。その理由をみていきましょう。

 脂質はすぐに脂肪にはならない

脂質を摂取しても、すぐに皮下脂肪や内臓脂肪になるわけではありません。体に取り込まれた脂質はエネルギー源としての役割や、細胞膜やホルモン、情報伝達物質などを作るのに使用されるからです。

脂質は体の様々な部分にとって欠かせない栄養素であり、複数の場所へ届けた後に余った分が脂肪として蓄積されるため、脂肪に変わるまでには時間がかかります。

 摂取した脂質はほとんど消費できる

脂質はよほど摂り過ぎなければ体に溜め込むことはありません。厚生労働省の「令和元年国民健康・栄養調査」によると、日本人の1日の平均脂肪摂取量は、20歳以上の男性で66.3g、女性で56.7gです。

この程度の脂肪量は、活動エネルギーや細胞膜やホルモン作成に使われるため、体に蓄積する前に消費されてしまいます。

 脂質は体に吸収されにくい

脂質は水に溶けにくい性質があり、腸から100%吸収するのは難しい栄養素です。脂質を食べ過ぎても、その大半は腸で吸収されずに便として排出されてしまいます。特に、ボディメイクで避けられがちな肉やバターの飽和脂肪酸やコレステロールは、ほかの脂質よりも吸収されにくく、ほとんどが体外に排出されます。

2.脂質制限の効果とデメリット

脂質が直接的な太る原因ではないとはいえ、脂質制限はエネルギー制限がしやすいため、ある程度のボディメイク効果が期待できます。

ただし、脂質制限の効果は体質や食の好みなどによる個人差が大きい上、以下のようなデメリットがあります。

  • 1日の摂取目安量を守るのが難しい。
  • 食事の満足感が少ない。
  • 空腹度合いが強い。
  • 体重減少までに時間がかかる。
  • 極端な制限はホルモンバランスに悪影響を与える。

脂質制限中の摂取目安は一日25~40gです。揚げ物や炒め物などで簡単にオーバーする量ですから、食事内容と量にかなり厳しい管理が必要になります。腹持ちが良く満腹感を得やすい脂質を控えるので、空腹感によるストレスも大きいでしょう。

また、脂質はホルモンや細胞の作成に使用されるので、不足すると肌やホルモンバランスが乱れがちになる上、ボディメイク効果が出るのには非常に時間がかかります。

3.太るのを防ぎたいなら脂質より糖質に注目

個人差はありますが、痩せやすい体質を目指すなら脂質制限よりも糖質制限の方が効率は良いといわれています。糖質を制限すべき理由についてみていきましょう。

過剰な糖質はすぐに脂肪として蓄えられる

脂質は皮膚やホルモンなどの材料として消費されるので、脂肪になりにくい特徴がありますが、糖質はエネルギー源のほかに使い道がなく、余った分はすぐに体脂肪として蓄積されます。

 過剰な糖質は太りやすい体質を作る

糖質の摂り過ぎは太りやすい体質を作ります。特に、空腹時に大量の糖質を摂ると血糖値が急上昇してインスリンの大量分泌につながります。インスリンは糖の吸収を高める効果があり、大量に取り込まれて消費しきれなかった糖は脂肪として体に取り込まれてしまうのです。

また、インスリンが過剰に分泌されると食後に血糖値が急降下し、空腹を感じやすくなり間食や食べ過ぎを招きます。

 脂肪細胞は上限なく貯蓄される

余った脂質は体外に排出されますが、余った糖質は脂肪細胞に変わり上限なく体内に蓄積されるため、摂るほどに脂肪が増えていきます。

糖質はエネルギー源として利用されるほか、ブドウ糖に分解されて肝臓に取り込まれたり、グリコーゲンとして肝臓や筋肉に蓄えられたりします。しかし、体内に蓄えられる糖質量はそれほど多くないので、脂肪として残る部分が多いのです。 

日本人は糖質過剰摂取状態

そもそも日本人は糖質を過剰に摂取しているといわれています。厚生労働省の「令和元年 国民健康・栄養調査」によると、一般的な人でも1日に300g程度の糖質を摂取していますが、平均的な運動量では消費し切れない量です。糖質制限ではこの半分が目安になります。

ごはんやパン、麺類など日本の食事は糖質がメインです。主食を半分に減らすか、倍の運動をするかしなければ、糖質は脂肪として蓄積し続けるでしょう。

 

食事制限のストレスが少ない

糖質制限は脂質よりストレスを少なく制限できる点もボディメイクに向いています。

脂質制限では肉や魚、揚げ物などのメインディッシュを我慢しなくてはいけませんが、糖質制限では、白米や麺類などの主食を半分にしたり、糖質控えめの甘くないおやつに置き換えたりする程度。肉や魚などは普通に食べられるので満足感が味わえます。

4.脂質の摂りすぎはコレステロールにも注意

脂質は糖質より肥満への影響は少ないとはいえ、やはり摂り過ぎると健康に悪影響を及ぼすので油断は禁物です。

排出されやすい脂質も摂りすぎれば蓄積量が消費エネルギーを上回って肥満につながります。脂質は1gあたり9kcal、1日の推定エネルギー必要量は30~40代の男性で2,700kcal、女性で2,050kcal(※)です。

※出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」参考表2 推定エネルギー必要量(kcal/日) 身体活動レベル「ふつう」の場合

また、脂質の過剰摂取は血中のLDLコレステロールを増加させて、狭心症や心筋梗塞など循環器疾患のリスクを高めてしまいます。

脂質は多すぎず、少なすぎず、適正量を守ることが大切です。

5.まとめ

ボディメイクでは脂質制限が主流でしたが、近年では「直接的な太る原因ではない」と言われるようになりました。脂質は体の様々な部分にとって必要な栄養素であり、摂取した分はほとんど消費できるためです。また体に吸収されにくく、排出されやすい特徴もあります。

脂質制限によるボディメイクは空腹感の強さや、ホルモンバランスの乱れなどのデメリットがあるので、継続しやすい糖質制限がおすすめです。

肥満に関連しにくい脂質に比べて、糖質はすぐに脂肪に変わる、太りやすい体質を作るなど影響する要素が多いためより効果を実感しやすいでしょう。また、制限中でも肉や魚、揚げ物などは我慢せずに食べられてストレスを感じにくく継続も比較的容易です。

脂質も糖質も過度な摂取は健康を損ないます。消費エネルギーを考慮して適正量を心がけましょう。

 

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