2021.12.08

高血圧対策

健康食

血圧と塩分は関係ない?高血圧に配慮した塩分目安を解説

血圧と塩分は関係ない?高血圧に配慮した塩分目安を解説

高血圧には遺伝のほか、食習慣や食事の偏りなど、生活習慣が関わっているケースも少なくなく、塩分について言及されることも多い。

昔は塩が貴重品であったため、日々の塩分摂取量を気にすることもなかったが、現代日本人は塩分を取りすぎといわれている。

この記事では、血圧と塩分の関係について紹介した上で、摂取量や食習慣に関しても解説していく。

1.血圧と塩分の関係とは

塩分過多が高血圧に影響を及ぼすことはよく知られている。しかし、高血圧の原因は塩分以外にもあるといわれる。まずは、高血圧と塩分の関係と、塩分が血圧を上昇させる仕組みについてみていこう。

高血圧=塩分の過剰摂取だけが原因ではない

塩分を過剰に摂取すると、体内に水分が蓄積し、血流量が増えることで血圧が上昇するため、塩分と血圧には深い関係がある。

ただ、高血圧には本態性高血圧や二次性高血圧などがあり、生活習慣や遺伝、薬の服用などが原因で、高血圧になるケースもある。そのため、高血圧が必ずしも塩分によるものだとは言い切れない。

また、ナトリウムと水分を共に排出する腎臓のナトリウム排泄機能が、うまく働かない場合も高血圧になるといわれている。

塩分で血圧が高くなる仕組みは血液量

塩分に含まれるナトリウムを多く摂ると、血液の濃度が高くなるため、浸透圧を一定に保とうとする働きにより血液中に水分が増える。

ただ、水分だけが増えることはなく、水分と同時に血液量も増えるため、血管壁にかかる負担が大きくなり、血圧が上がる仕組みになっている。

2.高血圧に配慮するなら塩分は1日6g未満

日本高血圧学会では高血圧の予防・治療を目的に、1日6g未満の塩分摂取を推奨している。6gの塩分とは、小さじでちょうどすり切り一杯の食塩だ。例えば、かけそば1杯の塩分量が約6gといわれている。

一方、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、一般的な成人男性なら7.5g未満、成人女性は6.5g未満を1日の塩分摂取量として定めている。

ちなみにいくつかの欧米の国では、高血圧ではない一般の人に対しても6g未満の塩分量にすることを勧めている。さらに世界保健機関(WHO)は、すべての成人に対して、5gを塩分の目標値としている。

3. 塩分摂取で気を付けたいポイント

ちょっとしたコツを知れば、1日6g未満の塩分摂取も実践しやすいはずだ。そこで塩分摂取で気を付けたいポイントについて解説していく。

塩分が多く含まれる食べ物を避ける

塩分の多そうな食材を把握して、なるべく避けるようにしよう。例えば、ラーメンやうどんなど麺類のスープ、ロースハムやはんぺんなどの加工食品などは塩分が多く、なるべく食べないようにしたい。

特に外食ではどんな食材が使われているか、どれくらいの塩分が使用されているかわからない場合も多く、食べても良いか自分で判断する必要のある場面も想定される。あらかじめ店員に食材を確認し、塩分の多そうな食材があれば避けてもらうなど工夫しよう。

外食で減塩する方法についてはこちら

減塩調理する

自炊では減塩調理を心がけると良い。味噌、醤油といった調味料は塩分を多く含んでいるため、塩分をカットした調味料を使うか、塩味の代わりに酸味やうま味を使って満足感を高めよう。

ただし、50%塩分をカットした商品など、減塩タイプといっても塩分がまったく入っていないわけではない点には注意が必要だ。

減塩調理の詳しい実践方法はこちら

排塩効果のあるミネラルを摂取する

排塩効果の期待できるミネラルはカリウム・マグネシウム・カルシウムの3種類で、それぞれ異なる役割がある。

<カリウム>

カリウムは体内のナトリウムを排泄して血液中の水分を減らし、血圧を下げる作用がある。不足しやすいミネラルであるため、毎食野菜を取り入れた食生活がおすすめ。干し柿やバナナなど、カリウムを多く含む果物やドライフルーツ は、そのまま食べられるうえに、カリウムの含有量も多いので積極的に取り入れたい。

カリウムと血圧の詳しい関係についてはこちら

<カルシウム>

塩分を摂りすぎるとカルシウムも排出され、骨に含まれるカルシウムが血中に溶け出す。血中のカルシウム濃度が高くなると、血管壁が収縮し血圧が上がってしまうため、カルシウムは欠かさず補給したい。牛乳以外にも小魚や干しエビ、ゴマなどに含まれている。

<マグネシウム>

マグネシウムは細胞内からナトリウムを排出しカリウムを取り込む働きを調整する。さらに、カルシウム不足による血管収縮を抑制し、動脈を広げて血圧を下げる働きがある。海苔やワカメなどの海藻類や玄米、干しエビ、アーモンドやカシューナッツなどのナッツ類に豊富に含まれている。

マグネシウムと血圧の詳しい関係についてはこちら

水溶性食物繊維を摂取する

水分を吸ってドロドロになった水溶性食物繊維は余分なナトリウムを排出する効果が期待できる。水溶性食物繊維は昆布やワカメなどの海藻類、サトイモや大根などの野菜類などに豊富に含まれる。

食物繊維の詳しい排塩効果や食材についてはこちら

4.宅配弁当で手軽に塩分調整しよう

高血圧は生活習慣と関係があるため、まずは減塩に取り組むことは大事だ。しかし、濃い味付けに慣れてしまっている場合、いきなり塩分を減らしてもおいしいと感じにくいかもしれない。そこで、塩分控えめで味付けもおいしく調整された宅配弁当がおすすめだ。

例えば、タイヘイの「彩ごころ」は1食あたりの食塩相当量が1.3g以下に抑えられた宅配弁当だ。管理栄養士が監修したお弁当で、塩分を減らしてもおいしく食べられるように工夫されている。彩り鮮やかな主菜1品+副菜3品で構成され、調理後の急速冷凍により鮮度もおいしさもキープされたまま自宅に届く。

 

1食あたり500円なので、手軽に減塩食を始めてみたいかたにおすすめだ。

タイヘイ「彩ごころ」の詳細はこちら

 

5.まとめ

塩分と血圧は関係があるといわれているが、塩分を多く摂る人が必ず高血圧になるというわけではなく、腎機能、ホルモン、遺伝などさまざまな原因が関わっている。

また 血圧が気になる方や塩分を控えるように言われた方は、男性なら1日7.5g未満、女性であれば1日6.5g未満に塩分量を抑えることを最初の目標とする。

食事では、塩分を多く含むラーメンなどの麺類のスープは残し、ナトリウム排泄作用のあるカリウムを多く含む野菜や果物を積極的な摂取がおすすめである。調味料を減塩タイプに変えると塩分を抑えられるが、使用量には注意が必要だ。

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