2023.04.27
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LDLコレステロール値を下げる食べ物・飲み物と注意したい食材
「コレステロールを下げるには、何に気をつけたらいいのかな…」健康診断でコレステロールの高さを指摘されて、焦る方は多いのではないでしょうか?
コレステロールは血中に含まれる脂質のひとつであり、悪玉といわれるLDLコレステロールの値が高いと動脈硬化や脳卒中などの原因になると言われています。
LDLコレステロールは特定の食べ物の過剰摂取によって増加します。コレステロール値を下げるには食生活を見直すことが大切です。
そこで今回は、LDLコレステロール値を下げる食べ物と飲み物、注意したい食材について解説します。普段の食生活を見直して、コレステロール値の改善を目指しましょう。
目次
1.コレステロールを下げる食べ物のポイント
コレステロールは血中に含まれる脂質のひとつで、役割によってLDLコレステロール(悪玉)とHDLコレステロール(善玉)に分けられています。
値の高さに注意すべきなのは、生活習慣病の要因とされるLDLコレステロールです。LDLコレステロールは、コレステロール(脂質)を全身に運ぶとともに体にため込む役割があるため、血中量が多すぎると動脈の内壁に脂質が溜まり動脈硬化の原因になります。
食習慣で改善しようとすると、食材自体が持つコレステロール値にばかり注目しがちですが、血中のコレステロールの約8割は肝臓で合成されていて、食べ物から摂取するコレステロールは2割程度。
そのため、コレステロール値を下げたい場合は、コレステロールを多く含む食品を避けるだけでなく、「コレステロールの合成を減らす食べ物」も合わせて配慮することが重要です。
2.コレステロールを下げる食べ物
コレステロールを下げるためには、不飽和脂肪酸や食物繊維、タウリンが多く含まれている食べ物を積極的に摂ることが大切です。おすすめの食材と合わせて見ていきましょう。
不飽和脂肪酸が多い食べ物
脂肪酸のひとつである「不飽和脂肪酸」には、コレステロールの合成を減らす働きや、血圧を下げる効果が期待できます。特に、魚に多く含まれているEPAやDHAはおすすめの成分です。
これらの脂肪酸は体内で合成できないため、食べ物から摂らなくてはなりません。肉食中心の方は、焼き魚や煮魚、刺身などの和食を多めに取り入れるようにしましょう。
<不飽和脂肪酸が多い食べ物>
- いわし・サバ・まぐろなどの青魚類
- 豆腐・油揚げ・味噌などの大豆製品
- オリーブオイル
- アマニ油など
食物繊維が多い食べ物
食物繊維は消化器官をゆっくりと進みながら、コレステロールや中性脂肪を取り込み、体外へ排出してくれます。
食物繊維が豊富な野菜や海藻類は、コレステロールがほぼゼロなので、コレステロール値を上げる心配もありません。ごぼうやきのこ類を料理に加えると、食べ応えがプラスされて満足度も高まるでしょう。主食を玄米や雑穀米にすると、手軽に食物繊維が摂れるのでおすすめです。
<食物繊維が多い食べ物>
- さつまいも
- かぼちゃ
- 切り干し大根
- ブロッコリー
- たけのこ
- ごぼう
- モロヘイヤ
- インゲン豆
- きのこ類
- 玄米
- そば
- ライ麦
- 海藻類など
タウリンが多い食べ物
貝類やイカ、タコなどに多く含まれるタウリンは、胆汁酸と結びつくときにコレステロールを消費するため、コレステロール値を減らすと言われており、循環器系疾患の予防にも役立ちます。
タウリンは水に溶けやすい性質があるため調理するときは、茹でずに生の刺身や、鍋やスープで汁ごと摂るようにすると効率良く摂取できます。
<タウリンが多い食べ物>
- あさり、しじみ、ほたてなどの貝類
- イカ、タコ、カニなどの甲殻類
- アジ、サバなどの近海魚
- ブリやカツオの血合いなど
3.コレステロールを下げる飲み物
身近な飲み物でもコレステロール対策ができます。コレステロールを下げる飲み物も意識して摂っていきましょう。
緑茶
緑茶特有の苦みや渋みの中には、茶カテキンが含まれています。茶カテキンには、血中のコレステロールや中性脂肪の吸収を防ぐ働きがあります。食事と合わせて飲む習慣をつけましょう。
青汁
特定保健食品や機能性表示食品の「コレステロールを下げる」と書かれている青汁も期待できるしょう。こういった青汁製品に配合されている不溶性食物繊維のキトサンは、胆汁酸と結びついてコレステロールの排出を促す働きがあります。
ただし、どの青汁でも効果が期待できるわけではないので、有効成分や機能性表示をよく確認してから購入しましょう。
豆乳
大豆たんぱく質を多く含む豆乳は、コレステロールを下げる働きがあるといわれています。大豆たんぱく質は体内で胆汁酸と結びつき、コレステロールを体外に排出する役割があります。
アーモンドミルク
牛乳や豆乳と比べて低カロリーのアーモンドミルクには、コレステロールの合成を減らす不飽和脂肪酸のオレイン酸が豊富に含まれています。ただし、加熱すると老化の原因となる過酸化脂質に変換される可能性があるため、そのまま飲むのがおすすめです。
オーツミルク
オーツミルクはオーツ麦と水をすり混ぜて作る植物性のミルクです。コレステロールの消費する胆汁酸を促す水溶性食物繊維のβ-グルカンが豊富に含まれています。脂肪分が少なくコレステロールを含まないので、牛乳との置き換えにもおすすめです。
トマトジュース
トマトに多く含まれているリコピンには、過剰なコレステロールを回収して肝臓に戻す作用があるHDLコレステロール(善玉)を増やす働きがあるといわれています。トマトジュースはリコピンがぎゅっと凝縮しているので、生のトマトよりも効率良く摂取できます。
コーヒー
コーヒーに含まれるビタミンB群のニコチン酸は、余計なコレステロールを排出させるHDLコレステロール(善玉)を増やす働きがあります。また抗酸化作用があるポリフェノールが豊富に含まれていて動脈硬化の予防効果も期待できます。
4. コレステロールを上げる食べ物
ここからは、コレステロールを上げる食べ物をご紹介します。注意すべき食べ物を把握して、知らず知らずのうちに摂り過ぎないように気をつけましょう。
飽和脂肪酸の多い肉や乳製品
脂身やバターなど動物性脂肪に多く含まれる飽和脂肪酸は、コレステロールを合成する機能を高める働きがあり、LDLコレステロール増加の一番の原因といわれています。
飽和脂肪酸はお菓子や加工食品、調味料にも多く含まれていて、無意識に摂り過ぎているケースも多いので気をつけましょう。
<飽和脂肪酸が多い食べ物>
肉類 |
豚・牛の脂身、鶏の皮、牛ばら肉、豚ばら肉、ソーセージ、ベーコンなど |
乳製品 |
チーズ、生クリーム、アイスクリームなど |
油脂類 |
ラード、牛脂、バター、マーガリン、ココナッツミルク、パーム油、カカオ油脂など |
調味料 |
マヨネーズ、カレーやシチューのルウなど |
菓子類 |
チョコレート、ケーキやクッキーなどの焼き菓子類、ドーナッツ、スナック菓子など |
工業生産由来のトランス脂肪酸
マーガリンなどに含まれるトランス脂肪酸もLDLコレステロールを上げる要因のひとつです。牛の胃などで作られる天然のトランス脂肪酸は影響しないとされていますが、工業生産由来のものは飽和脂肪酸よりもLDLコレステロールを上昇させると言われています。
工業生産由来のトランス脂肪酸は、スナック菓子など身近な食べ物にも多く含まれています。日本人の平均摂取量はWHOの基準値を下回っていますが、脂質を摂り過ぎるとトランス脂肪酸の摂取量も多くなってしまうため注意が必要です。
<トランス脂肪酸が多い食べ物>
- マーガリン
- ショートニング
- それらを使った洋菓子類やスナック菓子など
コレステロールを多く含む 内臓類や卵類
食材自体のコレステロール値が高い内臓類や卵類なども、血中のコレステロール値を高める可能性があるため注意が必要です。
食事由来のコレステロールの吸収率の平均は50%ほどですが、吸収率には個人差があり20~80%の幅で変動します。重度の高LDLコレステロール血症の方は、摂取制限が有効といわれているため、コレステロールを多く含む動物性食品などはなるべく避けるようにしましょう。
<コレステロールが多い食べ物>
- 牛・豚・鶏のレバーや砂肝、モツ、あん肝などの内臓類
- いくら・たらこ・かずのこなどの魚卵類
- 鶏卵、卵を使ったケーキやプリンなどの菓子類
5. コレステロールを下げる生活習慣
コレステロールを下げるには、食べ物と合わせて以下のように生活習慣を見直すことも大切です。
- 1日3食の栄養バランスの良い食事
- コレステロールを上げにくい油を選ぶ
- 炒め物・揚げ物より蒸し物・煮物を選ぶ
- アルコールやお菓子を減らす
- ウォーキングなど中強度の運動を1日30分以上・週に3日以上する
調理に使う油は、不飽和脂肪酸が多いオリーブオイルなどがおすすめです。ただし、油はエネルギー量が多いので、蒸し物や煮物にして油の使用量を控えると良いでしょう。
アルコールを飲むときは適量を楽しむようにして、休肝日を設けることもポイントです。おやつは飽和脂肪酸が多いケーキやクッキーなどの頻度を減らし、寒天やゼリーなど低カロリーのものを選びましょう。
また、少し息が上がるくらいのウォーキングを習慣にすると、コレステロールを適正な状態に保つ効果が期待できます。
6.まとめ
コレステロールを下げるには、「コレステロールを多く含む食べ物」を避けつつ、「コレステロールの合成を減らす食べ物」を意識して摂ることが大切です。
飽和脂肪酸やトランス脂肪酸は、身近な食品に使われていることが多く、知らず知らずのうちに摂り過ぎてしまう可能性があります。食品を購入する前に原材料をチェックしてコレステロールを必要以上に摂り過ぎないように心掛けましょう。
また、コレステロールを下げる食べ物には、不飽和脂肪酸や食物繊維、タウリンなどを含むものが有効です。緑茶や豆乳、トマトジュースなどにもコレステロールを下げる効果が期待できるため、気軽に始められる飲み物などから代えてみてはいかがでしょうか。
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